近年、大腸癌による死亡者数は増加の一途を辿っており、癌の部位別死亡者数では肺癌に次いで第2位です。日本は世界でも有数の胃癌の多い国ですが、現在、女性では大腸癌による死亡者数が胃癌による死亡者数を上回っています。これは、食生活の欧米化、つまり、動物性脂肪やタンパク質の摂取量が増えたことが原因だと言われています。大腸癌は大腸ポリープの約8割を占める腺腫というポリープから発生すると考えられています。もちろんすべての腺種が癌化するというわけではありません。また、最近、その頻度についての結論は出ていませんが、扁平な粘膜が直接癌化することも明らかになりました。
自覚症状
大腸癌の自覚症状には(1)血便(血が便とともに出る)、下血(血だけが出る)、(2)便通異常(下痢と便秘を繰り返す)、(3)腹痛、腹部膨満感(お腹がシクシク痛んだり、張った様な感じになる)などがあります。このような症状があれば精密検査を受けて下さい。
検査
無症状の方に対する大腸癌の簡便な検診法としては便潜血検査があります。癌が存在しても常に出血するとは限らないため、2回法が行われます。その結果陽性となった方は精密検査が必要となります。検査としては、肛門からバリウムと空気を入れる注腸X線検査、直接カメラを入れる大腸内視鏡検査があります。できれば最初から大腸内視鏡検査をする方が確実です。当院では注腸X線検査、大腸内視鏡検査の両検査を受けられます。
治療
大腸内視鏡検査でポリープが見つかれば、その場で内視鏡的に電気を用いて切除します。早期癌は手術なしで内視鏡治療のみで治療が完了する場合があります。進行癌の治療は開腹手術です。病巣を切除し、まわりのリンパ節もとります。
予防法
最後に、大腸癌の予防法としては、肉やバターなどの動物性脂肪を少なくして、野菜を多く摂る食生活を心掛ける、アルコールとタバコを控える(一次予防)、検診や診断で早く癌を発見して治療すること(二次予防)が大切です。
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