胃食道逆流症(GERD)により咽喉頭異常感、声のかすれ、慢性の咳、のどの痛み、などの耳鼻咽喉科領域の症状を生ずるものを、特に咽喉頭酸逆流症と呼びます。胃食道逆流症とは、胃酸などの胃内容物が食道内へ逆流することにより引き起こされるすべての病態をさします。胃食道逆流症によくみられる症状は、胸やけ(胸の中央、胸骨の裏側がやけるような感じがする)、呑酸(胃液が口やのどまで逆流して、口の中に酸っぱさと苦さを感じること)、吐出(胃からの逆流物が食道、のど、口にまで上がってきて、時に口から出てしまうこと)、嚥下困難(物を飲み込む時に、胃まで下りていきにくい状態)、嚥下痛(物を飲み込む時に、焼けるような、押されるような痛みを感ずる)などです。
咽喉頭酸逆流症による咽喉頭異常感ですが、「喉に何か詰まった感じ、イガイガする、何か引っかかった感じ、ちくちくする」と感じられることをいいます。また声のかすれは「高い声が出しにくい,声の滑りが悪い」と感じられることもあります。胃食道逆流症患者さんの25%は胸やけ、呑酸などの胃食道逆流症の定型的症状がみられず、耳鼻咽喉科領域の症状のみを訴えるといわれています。咽喉頭異常感や声のかすれがある方は、先ず耳鼻咽喉科を受診して、のどに異常がないかを検査してもらうことが大切です。もし耳鼻咽喉科的に異常がなければ、消化器内科を受診して胃食道逆流症やその他の病気 (食道癌、胃癌、胃・十二指腸潰瘍など)があるかどうかを調べるために、内視鏡検査を受けることをお勧めします。当院では食道、胃、十二指腸の内視鏡検査が受けられます。
咽喉頭酸逆流症の治療ですが、 基本的には胃食道逆流症の治療と同じです。当院ホームページの健康コラム(【胃食道逆流症】をご覧下さい。Click)で述べた生活習慣や食生活の改善を実行するとともに、 H2受容体拮抗剤、プロトンポンプ阻害剤、消化管運動改善薬の内服治療を行います。
Copyright(C) 2002-2023 Nagakute-nishi Clinic. All Rights Reserved.